2020年05月26日 (投稿者: 株式会社フレンズ ) 夏は来ぬは、今の情景の詩です。

家にこもって居ると体力的にも、精神的にも消極的になり 4,5才年を取ったような気がします。ラジオから童謡が流れてきて、やたらと 感動しています。
【卯の花の匂う垣根に、ホトトギス早も来鳴きて 忍び音もらす、夏は来ぬ】 ::卯の花は、ウツギの花の意味です。:忍び音は、今年初めて聞 くホトトギスの声を指しています。
【さみだれの、注ぐ山田に 早乙女が裳裾濡らして 玉苗植うる 夏は来ぬ】 :さみだれ(五月雨):裳裾 着物の裾 玉苗:苗代から、田んぼに移した新しい苗 
五番まで有りますが、作詞者の佐々木信綱は 万葉集の研究者で、歌曲や童謡の中に、現在使われいない言葉が かなり出ています。
3番の、橘の注ぐ牧場に の橘は、古今和歌集にも よく歌われています。(蛍飛び交い、おごり諫る)は 卒業式で歌う 蛍の光窓の雪の (蛍雪の功)を指しているそうです。
五番の詩は 五月やみ、蛍飛び交う、卯の花咲きて、早苗植えなど
1番から4番までの まとめを歌っています。
初夏の田園風景から 学業 御田植まで 意味が入って居る素晴らしい 歌だと思います。
作曲した 小山作之助は 新潟県上越市の出身で 東京音楽学院の教授になり、教え子にはあの 滝廉太郎などがいます。退官して ヤマハに入り、音楽学校を数多く作りました。北陸新幹線の上越妙高駅の発車メロディーは (夏は来ぬ)です。  小林昭男