2021年01月31日 (投稿者: 株式会社フレンズ ) 山里は 冬ぞ寂しさ勝りける(源の宗之)

大寒も過ぎましたが、まだまだ寒い日が続きます。特に山里は雪が多いようです。家に自粛していると手持ち無沙汰で、W氏に頂いた百人一首でもと開いてみました。

♫ 山里は 冬ぞ寂しさまさりける 人目も草も 枯れぬと思えば  源の宗之作

宗之は、平安時代中期の官僚、歌人で 光孝天皇のお孫さんです。丹波、摂津、三河、相模、伊勢 などの国司に赴任し地方行政に貢献したそうです。官位は、従四位下 右京太夫で あまり高くはありませんでした。

こんなエピソードがあるそうです。大和物語に、自分の官位が低いので 宇多天皇に愚痴をこぼしたところ 宇多天皇が、伊勢の国から取り寄せた 海松という、石のついた海藻を送ったところ 宗之は 【沖の風 吹井の浦にたつ浪の なごりにさへや 我はしずまぬ。】 と 和歌で返しました。内容は、波は、吹井の浦から、押し寄せますが 石のついた海藻では 底に沈んだままで、波打ち際までも、たどり着けません。こんな意味の愚痴をこぼしたそうです。宇多天皇は、意味が分からず あ、そう と言ったとか、言わないとか。今秋末から、また寒さが厳しくなるそうです。風邪などお召にならないようにご自愛ください。     小林昭男