2018年12月16日 (投稿者: 株式会社フレンズ ) 武蔵野 国木田独歩の世界


秋から冬に移り行く 武蔵野の美しさを これほどまでに表現した小説も 少ないと思います。作者 国木田独歩の武蔵野の書き出し【武蔵野の俤(おもかげ)は今、わずかに 入間郡に残れり】 

明治31年浪漫性の 強い作品を発表しました。独歩が 明治29年頃に 暮らしていた 東京都渋谷村(現、渋谷区)の近郊の情景を 書かれたものと思います。

武蔵野の自然に 吸い込まれるような感覚で 江戸時代から 続いている、山林や、畑の要素をまとめています。
書き出しの(武蔵野の俤(おもかげ)とは まだ開発されない、やぶや 茅が、生い茂った 草原の武蔵野、そんな昔の 光景を踏まえ 今の武蔵野に 心を惹かれていると、私は思いました。
学制改革により、山口中学校を中退し 東京専門学校(現、早稲田大学 英語普通科に入学しました。
明治27年 徳富蘇峰の 国民新聞の従軍記者として 日清戦争で 敏腕記者で 名声を上げたそうです。
そのころ、短編の【源叔父】等 多数の作品を書きましたが、尾崎紅葉や、倖田露伴などが主流で、注目されませんでした。
そして、明治41年(1908年)37才の若さで亡くなりました。(運命)を書いた2年後でした。  小林昭男