目に青葉 山ホトトギス 初カツオ ご存知、初夏の名句、山梨県が生んだ俳人、山口素堂の作品です。この俳句の中に初夏の楽しみが 全部はい言っています。目を遠くに移せば、黄緑色の山々 初夏を告げる渡り鳥、脂ののった初カツオ 武漢コロナで気が めいっている時だけに、心にしみ通ります。
以前に、私の友人の渡辺社長から、百人一首を頂きました。 きっと断捨離していた 昔の物が出てきたのでしょう。小林さんが持っているのが相応しいと言われ、有難く頂戴しました。
パラパラめくって居ると 初夏の和歌が有りました。
(ホトトギス 鳴きつる方を眺群れば ただ有明の月ぞ残れる) 後徳大寺左大臣実定の和歌です。
有明の月は、朝日が昇る寸前に、まだ沈まないでいる残月です。如何にも春の、眠たそうな情景が 出ていますね。
後徳大寺左大臣は 京都、小倉山荘で、百人一首策定した藤原定家の従弟に当たります。公家の中では、お調子者で おちゃめな人だった様です。
百人一首のほとんどが、貴族の恋愛、風景の描写などですが こんな 意味不明の歌が有ったんです。ホトトギスの姿を見たいために 一晩中朝まで待っていて、いたと思って振り向いたら、残月しか見えなかった。かなり間抜けた 歌の様ですが、貴族の生活がにじみ出ていて 面白いという人もいます。
我が家の箱庭にも、初夏が訪れています。小林昭男
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